エフェクト紹介 – その1

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みなさん、こんにちは。インスピアートプロジェクト、R&Dエンジニアのキムです。

前回のブログではインスピアートプロジェクトの概要についてお話しました。今回と次回のブログではミキシングのエフェクトについてお話したいと思います。前回はリバーブ、コンプレッサー、イコライザー、パンニングの4つを簡潔に説明しましたが、今回はリバーブ、コンプレッサーについてより詳しく説明したいと思います。

リバーブ(ディレイ)

日本語に直訳しますと【残響】です。空間では音が反射を繰り返し、また発生場所に戻ってきます。水槽の中に石などを落とした時に、波紋が発生し、また水槽の壁で跳ね返り戻ってくる現象と同じです。エコーもリバーブの一種類です。コンサートホールの良し悪しはこの残響という響きできまると言います。自然な空間ではこの残響が必ず存在します。人工的に無残響室をは存在しますが、人にはとても居心地が悪い空間だそうです。

音楽においても残響は曲の雰囲気づくりに大きく関与します。(YouTubeなどでリバーブ ミキシングと検索すると、デモがたくさん転がっています。)

信号処理的(数学的)にこのリバーブは有限インパルス反応で定義されます。

難しそうに見えますが、biは音がどれだけの速さで減衰していくのか、Nは何回響かせるかを決める部分です。それを足し合わせた信号が一連の響きを表します。信号の足し合わせは数学では畳み込みと表現されます。

基本的に、ある空間の残響は計測し、再現できます。短い大きな音、例えば破裂音などを起こし、音がどのようなスピードで返ってくるかを計測しパラメータとして値が出ます。その時間(パラメータ)を残響をかけたい音源に掛けあわせれば、あたかもその空間で演奏しているような効果が得られます。

今時の電子ピアノでは部屋、教会、コンサートホールなど、演奏する場所を設定できるようになっています。その結果、スピーカーから出てくる音はその中で演奏しているように聞こえます。リバーブエフェクトの代表的な実例です。

コンプレッサー

次にコンプレッサーです。コンプレッサーは音の強弱の調整をします。ある閾値を超えた音を一定の割合で圧縮、増幅させる機能です。この割合をレシオと呼びます。大体の場合、このレシオは1:4〜1:10ほどに収まっています。つまり、閾値を超えた音は1/4から1/10にされます。同じ原理で閾値を超えた音を、割合を考えず、一律同じ値に合わせる機能をリミッターと呼びます。このコンプレッサー機能を用いると、ポップスでは音がより迫力あるものになったり、クラシック音楽ではより繊細なものになります。

またこの考えを応用し、アタック(音の出だし)も調整できます。これは音の出だしから最高音量まで到達する時間をより短く、もしくは長くすることにより、音にキレ、もしくはやわらかみが生まれます。つまり、コンプレッサーがどれだけ短い時間で作動するのかという指標です。この逆でリリースという機能も存在します。リリースはコンプレッサーがどれくらい長く作動し続けるのかを決めます。

Inspiartプロジェクトではこれらのエフェクトを自動化に取り組んでいます。失敗も成功も半々で山あり谷ありですが、うまくいった時にはやはり達成感があります。まだまだ目標とするところまでの道のりは険しいですが、道中楽しみたいと思います。ただいまチーム絶賛拡大中ですので、興味のある方はぜひ採用ページよりご連絡ください。

次回はイコライザーとパンニングを紹介したいと思います。

参考:  FIR filter

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2nd Community 広報
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