行ってまいりましたー!世界最大の楽器見本市 Musikmesse in フランクフルト!
私森田の今回のミッションは、
「日本未上陸の、サイコーにクールなドラムを発掘すること」です。
え?「サイコーにクール」とか死語だって?
細けぇことはいいんですよ、要は、ス・テ・キなドラムってことです!
さてこの旅の同行をお願いしたのは、ドラマーとして活躍しながら、自らもドラム製作やリペアを行ない、材質や構造などドラムの細部を良く知る、阿部将大さん。
日本でよく使われれているドラムというと、
「YAMAHA」「PEARL」「SONOR」あたりの名前が真っ先に上がります。
これら定番メーカーさん、もちろんのこと質の高い、信用のおけるドラムを市場に送り出しているわけですが。。。世界にはまだまだ、素晴らしいドラムが知られずに埋もれているはず!それを見つけ出して日本に届けたい!
そんな思いを胸に突撃したドラムブース、到着しての第一印象はー。
「う、ウルサすぎる…」
来場者が所かまわず試奏しまくっており、会場全体に鳴り響く轟音。予想はしていたけれどこれほどとは。。。
しかし、こんなことで挫けていたら、はるばるフランクフルトまでやって来た意味がない! ということで、相棒となるドラムリペアラーの阿部さんと会場を巡り、「アイムフロムジャパンー!!!」と怒鳴りながら商談をすること約80社!
とにかくフランクフルトメッセは、広い広い。敷地面積475,000㎡
東京ドーム約10個分の広さです。
音を聴く
↓
良さそうなら、担当者に細かい話を聞いてみる
↓
さらに良さそうなら交渉へ
と、回っていて思ったのですが、ドラムメーカーは主に4つのタイプに分かれると思いました。
1. YAMAHA、Pearlのような有名メーカー
2. 有名メーカーのOEM先になっているような、イケてる中国/台湾メーカー
3. とりあえず楽器市あるのでブース出してみました、というイケていない中国/台湾メーカー
4. 以下に記載した、HM、gabriel、cubeに比べると質が落ちるヨーロッパに拠点を構える小規模ドラムメーカー
みたいな感じです。
中でも「cube」という会社のドラムは、ドイツのカスタムオーダーメイドのみ受け付けている工房で、特筆すべきは塗装への拘り。塗装にもメソッドがあって、〜〜な塗装をすると音が引き締まる、などの物理的な効果を狙ってやります。
塗装のクオリティの高さはもちろんのこと、音に合った外装に仕上がっていて、技術があることに加えて、センスがある、と感じさせられました。
共同開発したいと持ちかけたのですが、「俺は顔が見える人のためにドラムを作りたいんだよね、だからカスタムオーダーメイドしか受け付けていないんだ」とのことで、断られてしまいました。
色々なメーカーがありますが、それぞれ自分のポリシーをキチンと持っていることに感動しますね。
「cube」のように断られながらも、色々回って、見つけ出しました珠玉の2社をここで紹介してしまします!リペアラーの阿部さんの耳が萌えたメーカーです。
1. HM Custom Drums
ドイツのほぼ中央、フランクフルトの東に位置するハンメルブルクに工房を構えるドラムメーカーです。 社名のHMはHand Madeの意。手作りで一つ一つのドラムを作っていくことにこだわっています。
彼らのドラムの音の、なんとステキなことか!
ステイプシェルという木のピースを接着していく桶のような作り方が特徴で、木の継ぎ目も頑丈にするための工夫がありました。
外装の塗装にもムダがなく、接着剤にもこだわっているようで、音に対する細かなポイントにも手を抜かない職人仕事が光っていました。
まさにこういうドラムを求めて、私はフランクフルトまでやってきたのです!
▲ HM Custom Drumsの責任者、Holger Reithさんと。
質実剛健な雰囲気ですが、話すと気さくな方でした。
2. Gabriel Drums
さてこちらは、エーゲ海に望む歴史の国、ギリシアはアテネに工房を構えるドラムメーカーです。
こちらのメーカーも、作っているドラムはすべて 「ハンドメイド」!家族を中心にわずか5人で運営している小さな工房ですが、その品質は超一級品!
「エッジの角度」という音に影響が大きい部分に強いこだわりが見え、実際に音もすごく良い!
ヨーロッパのドラムらしい乾いた音で、聞き心地の良い中低音もあって、ジャズをはじめ、手広いジャンルで使えそうなドラムです。日本に上陸したら、絶対愛されるドラムになる、と確信させられましたね!
▲ Gabriel Drumsのブースにて
と、ここで専門家として同行してもらってうたドラマー&リペアラーの阿部さんが試奏していたら、他の来場者とのセッションに発展!おぉー!こういうの、いいですよねー。旅は道連れっていう感じ?(ちょっと違う!?)
現在上記2社とは、Otolierのサイト上で取り扱いができるよう交渉中。さらに将来的には、特別な日本市場向けモデルを開発してくれる可能性も…?
Otolierからの続報をお待ちください!
とにもかくにも、ステキな出会いがあったMusikmesse!
今回の旅で感じたのは、 「やっぱり日本に知られていない逸品楽器が、世界にはまだまだ沢山ある!」ということです。
80社超との工房やメーカーと、交渉&カタログをもらいながら行脚すること3日間。結果、膨大な量のカタログを持ち歩く羽目になり、口も、腕も、脚も、つまり心身共に疲れましたー。
今後も、世界の楽器見本市を回って、ステキな楽器を発掘し、 皆様の手元に届けるお手伝いができればと考えています。
ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました!
森田 渉