Otolier はじめの一歩

2015年7月、EYS-STYLEの楽器製作「Otolier」プロジェクトが始動しました。

楽器製作に関しては、右も左もわからないところからスタートした怒涛の日々。日本、そして海外を駆けずり回り、Otolierの構想が形になっていった当時の様子を、プロジェクトメンバーの塩崎氏に聞きました。

■はじまりは「より質の高いプレゼント楽器をお届けしたい」という思い

今もEYS音楽教室の主力サービスである「楽器プレゼント」。2015年当時も、多くの方に楽器プレゼントをご利用いただいておりました。

しかし、ビジネスの性質上、プレゼントできる楽器の金額には上限があります。その中でも、より品質の高い楽器をユーザに提供するために、努力を続けてきたEYS-STYLEですが、「もっと品質の高い楽器をプレゼントすることはできないのか」と、常々頭を悩ませていたのでした。

そんな時、社長の吉岡が、海外で楽器市に行く機会が訪れます。これまで聞いたこともない世界中の楽器メーカーや工房が集う楽器市の様子を見て、「世界中の工房と協力すれば、より品質の高いプレゼント楽器を製作できるのではないか」という考えが浮かびました。

こうして、Otolierプロジェクトがスタートしたのです。

■はじめの一歩で見えた課題

日本に帰った吉岡は、早速メンバーに海外の楽器市を回って、楽器製作に協力してくれる工房を探すように指示を出します。まずは、直近で開催される台湾の楽器市に、スタッフが行ってみることになりました。

とはいうものの、当時は楽器の品質を専門的に判断できるスタッフが在籍していませんでした。そこで、演奏者である講師にも同行してもらい、楽器市で演奏してみて良いと感じた楽器を、いくつかサンプルとして買い付けてきたのです。

帰国早々、細かい品質をチェックしてもらおうと、リペアラーに見ていただくことに。しかし、リペアラーの感想は…「全然ダメですね」。

ここに大きな落とし穴がありました。楽器は、同じ商品でも個体差があります。講師が演奏して良いと感じた楽器でも、部品のひとつひとつの構造や、細かい仕上げに着目すると、量産する工業製品としてのクオリティには問題があったのです。

「演奏する側」と「売る側」が持つべき視点の違いを痛感する出来事でした。

■協力してくれるリペアマンを探して奔走した日々

こうして、楽器市に同行して楽器製作に協力してくれるリペアマンを探す日々がはじまりました。しかし、これまで楽器製作に携わったことのないEYS-STYLEには、当然リペアマンの人脈がありません。

そこで、塩崎氏は東京中のリペアマンを探してリスト化し、一件一件電話でアポ取りを開始。これまで買い付けた楽器を抱え、まさに飛び込み営業をスタートしたそうです。長期間、海外の楽器市に同行するというハードルの高さもあり、お断りされることがほとんどだったそうですが、塩崎氏が熱く語るOtolierのビジョンに心を動かされたリペアマンたちが協力を約束してくれたのでした。

■そうして始まった、Otolierの旅

Otolierのビジョンに共感するリペアマンたちと共に、世界の楽器市をまわる旅は、ここから本格的にスタートしました。

一番初めに訪れた上海の楽器市では、4日間という限られた楽器市の開催期間で、数百件の工房のブースを回り、工房探しに奔走。この上海の旅で、塩崎氏が一番印象深かったのは、「工房に相談してみたらできること」が想像以上に多かったことなのだそうです。自分たちの求める楽器を、お客様のもとに届けることができると、確信した旅だったそうです。

この後、Otolierの旅は世界中へと広がり、多くのオリジナル楽器を生み出すことにつながっていったのです。

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2nd Community 広報
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