2008年6月、吉岡が大学の同級生たちで立ち上げたYoko-Chin BandをベースにEYS-STYLEが設立されました。10名程度のバンドから、音楽を通じて仲間が集まり、EYS-STYLEの設立に至るまで −− 活気溢れる当時の様子について、Yoko-Chin Bandの初代メンバーであった、多田さんと野田さんにお話を伺いました。
■大学の同級生でYoko-Chin Bandをスタート
EYS-STYLEの社長 吉岡と、多田さんは大学の同級生。大学卒業後はそれぞれ会社員として企業で働いており、野球や飲み会などを一緒に楽しむ、気心の知れた遊び仲間だったそうです。多田さんと吉岡は、それぞれ部活や趣味で楽器はやっていたものの、一緒に音楽を演奏したことはなかったそう。しかし、当時は映画「スウィングガールズ」が流行り、それに触発されたこともあって、ビッグバンドを組んでみることになったそうです。
担当楽器は吉岡がサックス、多田さんはトランペット。しかし、人数が少なくてはビッグバンドにならないということで、トロンボーンの野田さんをはじめとする音楽好きの友人にも声をかけたことが、Yoko-Chin Bandの始まりでした。
このYoko-Chin Band、仲間同志の趣味として始まったにも関わらず、並々ならぬ実行力で、やってみたいことは必ず実現する文化があったと、お二人は振り返ります。初心者も入り混じったバンドでありながら、赤坂の老舗ジャズバーでライブを開催したり、プロの演奏者の方を仲間に引き込んだり…形式にとらわれずに、自分たちの思うスタイルで音楽を楽しんでいたそうです。
■続々と増える仲間たち
やはり、楽しそうな場所には人が集まってくるもの。Yoko-Chin Bandの盛り上がりを知った多くの人から、自分も参加したいと申し出があり、はじめ10名程度から始まったYoko-Chin Bandは、あっという間に200人を超える大きな団体に成長。バンドも複数編成され、拠点も東京だけでなく大阪にも拡大していきました。
面白いことに、Yoko-Chin Bandは、規模が大きくなってからも、初心者も上級者も入り混じるスタイルを貫いていたそうです。例えば、楽器初心者がミスをしてしまっても、上級者が一緒に演奏していれば、カバーすることができます。「一小節しか演奏できなくても、大好きな一曲だけしか参加しなくても大丈夫。」「失敗しても堂々としていれば分からない。」このような、他にはない自由な空気が、誰もが演奏する楽しさを感じられる環境を作っていたとお二人は言います。
■ついにEYS-STYLEが設立
こうして多くのメンバーを抱えることになったYoko-Chin Bandですが、規模が大きくなるにつれて、レッスンやライブの管理、メンバーの募集など事務局的な役割が必要になるのは当然の流れでした。そして何よりも、 Yoko-Chin Bandの活動を通して見えた、多くの人が「自分のスタイルで音楽を楽しみたい」という潜在的なニーズを抱えている事実。
誰もが自分のスタイルで音楽を楽しめる世の中を実現しよう—Enjoy Your Sound—そんな思いから、ついに2008年6月、EYS-STYLEが設立されたのでした。
■EYS-STYLEに受け継がれるYoko-Chin Bandの経験
EYS-STYLEのコンテンツには、今でも Yoko-Chin Bandの経験が息づいています。例えば、EYS音楽教室の、初心者がたった3回のレッスンでプロとセッションするイベント「ユビフェス」。ここには、 Yoko-Chin Bandで初心者と上級者が入り混じって演奏していた、あの経験が活かされています。
「 Yoko-Chin Bandを始めた当初は、こんな大きな会社になるなんて想像もしなかったよね」と、笑ってお話ししてくださった多田さんと野田さん。しかし、今でもEYS-STYLEには Yoko-Chin Bandの精神がしっかりと息づいているのを感じました。